2015年 11月 30日
マドレッサ |
月曜日。8時35分起床、曇り。
りんごかじりながら出る。浦和、勤め。昼はいこい食堂へ行こうと思っていたのだが、通りがかった喫茶のマドレッサ、今日で閉店だったこと思い出す。閉店するからと知って行くのは白々しい気がして行っていなかったのだが、迷った末、入る。人にぎわう。おばさんに案内されカウンターに座る。額に無造作に入れられた幾枚かの馬券。すぐそばのラジオからNHK第一がかかる。ナポリサンドセット800円。しばらくしておじさんにカウンター越しにプラスチックのプレートを渡される。落とさないようにとすごく注意深く。やわらかい麺のナポリタンと三角のサンドイッチ二切れ、サラダ。サンドイッチの中のポテトサラダに角切りのりんごが入っている。縁に薄く残るパンの耳。おじさん、今日で終わりか―、と一人つぶやく。
コーヒー飲みながら本よみ、しばらくして席を立つ。おじさんに、お世話様です、と声かけたのはちょっとわざとらしくて後悔した。お客さんが多いからなのか100円玉が足りないらしい。最終日のため100円引き、となっていた。マッチをいただき、出る。
勤め17時50分まで。終え、武蔵野書店で『タモリと戦後ニッポン/近藤正高』講談社現代新書460円でかう(店内の文庫、新書は全て定価の半額)。ここのお店の60代ぐらいのおじさんはそっくりの兄弟で、たまに店に二人でいてやりとりしているのだが、やっぱりかなり荒川洋治に似ていると思う。普段均一からしか買わないが、その時、貼ってある値段のシールのとこを見せて百円を帳場に置き、そのまま手にして店を出る際の呼吸がすっかり通じ合うようになった。
ひとりあじへ。芋水割り300円、野菜スティック250円(いつもよりみずみずしくておいしかった)、角煮300円、麦水割り300円、おろしハンバーグ300円。店のテレビの19時のNHKニュースで水木しげるの訃報を知る。多摩やさんのことを思う。
岡本敬三『根府川へ』の表題作よみ終え、くめさんにごあいさつし、20時ごろ出る。
『人の流れをよけ、叔父は内ポケットから白い封筒をだし、うっかりしていたといった。大人はだましていいけれど、子どもはだましちゃいけないともいった。生きていくことはほんのちょっとしたペテンだともいった。
「だからみんなやっていけるんだろう?きょうはたのしかったなあ、もうおもいのこすことはないや、でもぼくはもっと生きたいなあ、あと百年くらい。ところでぼくはどこへ帰るんだい?わかっているよ、からかってみたくなっただけさ。東京駅で汽車にちゃんと乗りかえるよ。根府川はいい所だ、駅のホームに海がういてるんだぜ。スナちゃん、あそびに来いよ。」』(p91)
20時45分帰宅。キャベツの炒め物、水餃子のようなもの、おいしい。
りんごかじりながら出る。浦和、勤め。昼はいこい食堂へ行こうと思っていたのだが、通りがかった喫茶のマドレッサ、今日で閉店だったこと思い出す。閉店するからと知って行くのは白々しい気がして行っていなかったのだが、迷った末、入る。人にぎわう。おばさんに案内されカウンターに座る。額に無造作に入れられた幾枚かの馬券。すぐそばのラジオからNHK第一がかかる。ナポリサンドセット800円。しばらくしておじさんにカウンター越しにプラスチックのプレートを渡される。落とさないようにとすごく注意深く。やわらかい麺のナポリタンと三角のサンドイッチ二切れ、サラダ。サンドイッチの中のポテトサラダに角切りのりんごが入っている。縁に薄く残るパンの耳。おじさん、今日で終わりか―、と一人つぶやく。
コーヒー飲みながら本よみ、しばらくして席を立つ。おじさんに、お世話様です、と声かけたのはちょっとわざとらしくて後悔した。お客さんが多いからなのか100円玉が足りないらしい。最終日のため100円引き、となっていた。マッチをいただき、出る。
勤め17時50分まで。終え、武蔵野書店で『タモリと戦後ニッポン/近藤正高』講談社現代新書460円でかう(店内の文庫、新書は全て定価の半額)。ここのお店の60代ぐらいのおじさんはそっくりの兄弟で、たまに店に二人でいてやりとりしているのだが、やっぱりかなり荒川洋治に似ていると思う。普段均一からしか買わないが、その時、貼ってある値段のシールのとこを見せて百円を帳場に置き、そのまま手にして店を出る際の呼吸がすっかり通じ合うようになった。
ひとりあじへ。芋水割り300円、野菜スティック250円(いつもよりみずみずしくておいしかった)、角煮300円、麦水割り300円、おろしハンバーグ300円。店のテレビの19時のNHKニュースで水木しげるの訃報を知る。多摩やさんのことを思う。
岡本敬三『根府川へ』の表題作よみ終え、くめさんにごあいさつし、20時ごろ出る。
『人の流れをよけ、叔父は内ポケットから白い封筒をだし、うっかりしていたといった。大人はだましていいけれど、子どもはだましちゃいけないともいった。生きていくことはほんのちょっとしたペテンだともいった。
「だからみんなやっていけるんだろう?きょうはたのしかったなあ、もうおもいのこすことはないや、でもぼくはもっと生きたいなあ、あと百年くらい。ところでぼくはどこへ帰るんだい?わかっているよ、からかってみたくなっただけさ。東京駅で汽車にちゃんと乗りかえるよ。根府川はいい所だ、駅のホームに海がういてるんだぜ。スナちゃん、あそびに来いよ。」』(p91)
20時45分帰宅。キャベツの炒め物、水餃子のようなもの、おいしい。
by w-nemunemu
| 2015-11-30 01:13
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